働き方改革の意外な落とし穴、管理職の負担増や仕事の持ち帰り

キャリア

“働き方改革”の大号令のもと、時間外労働の上限規制や有給休暇の取得など具体の取り組みが進められようとしています。でも、画一的に残業時間を減らしたり、休暇を取りやすい環境にするだけで、果たして企業や従業員にとってどれくらいのメリットがあるのでしょうか?

企業からみれば、長時間労働の見直しで生産性は高まるかもしれませんが、残業の対象にならない管理職への負担が増えることが考えられます。

一方、従業員にしてみれば、有給が取りやすくなる、プライベートの時間を確保できるなどのメリットがありますが、残業ができなくなるために仕事を家に持ち帰ったり、収入減に繋がることが考えられますね。

今回は、”働き方改革がもたらす意外な落とし穴“について考えます。

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働き方改革は、人口減少に対する苦肉の策

出典:「国土の長期展望」中間とりまとめ概要(国土審議会政策部会長期展望委員会)

日本の総人口は、2004年をピークに急激に減少し、今後100年間で100年前(明治時代後半)の水準にまで戻っていくものと予測されています。

こんなに人口が減るって信じられますか? 100年後には今の約40%くらいまで総人口が減少するんですよ。全く想像ができません。

 

出典:「国土の長期展望」中間とりまとめ概要(国土審議会政策部会長期展望委員会)

また、2050年には総人口が9,515万人と1億人を割り込んで、そのうちの約40%を65歳以上の高齢者が占める人口構成となる見込みなんです。5人に2人は65歳以上ってことですよ、これもビックリですよね。

  • 65歳以上の高齢人口:約3,764万人(39.6%)
  • 生産年齢人口(15~64歳):約4,930万人(51.8%)
  • 若年人口(0~14歳): 約821万人(8.6%)

そうなると真っ先に心配されることが、若い働き手が大幅に減少して、日本の生産力そのものが大幅に低下するのではないかという懸念ですね。

働き方改革は、このようなことを踏まえて「総人口が大幅に減って、少ない労働人口となった中で、いかに効率的に日本の経済を回すか」として考えられた苦肉の策なんです。

生産年齢人口が現在の約60%まで減少しているのに、上手くいくのか甚だ疑問です。ですから、人生100年時代とか言って、60歳で定年したオジサンたちも70歳とか80歳までこき使われるって話なんです…って勝手に思っています。

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働き方改革のメニュー

さて、ずっと先の将来のことばかり言ってても始まりませんから、話しを現実に戻しまして、働き方改革の主なメニューとしては次の3つが挙げられています。

時間外労働の上限規制

時間外労働(休日労働は含まず)の上限は、原則として、月45時間・年360時間となり、 臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできなくなります。

〇臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、

  • 時間外労働 ・・・年720時間以内
  • 時間外労働+休日労働 ・・・月100時間未満、2~6か月平均80時間以内

とする必要があります。

〇原則である月45時間を超えることができるのは、年6か月までです。

〇法違反の有無は「所定外労働時間」ではなく、「法定外労働時間」の超過時間で判断されます。

〇大企業への施行は2019年4月ですが、中小企業への適用は1年猶予され2020年4月となります。

年次有給休暇の確実な取得

〇2019年4月から、 全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。

正規雇用労働者と非労働者の間の不合理な待遇差を禁止

〇2020年4月から(中小企業は2021年4月から)同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。

〇非正規雇用労働者は、「正社員との待遇差の内容や理由」など、自身の待遇について説明を求めることができるようになります。 事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合は、説明をしなければなりません。

出典:厚生労働省ホームページ

働き方改革のメリット

まず、働き方改革のメリットです。

時間外労働の上限規制や有給休暇の取得などによって、従業員は仕事のメリハリがついてモチベーションも上がると思います。

とくに、時間外労働が抑制されることで、従業員の集中力も高まり、生産性の向上が期待できます。「残業は人についてくる」とよく言いますが、同じ仕事をするにも短時間でさっさと片付けてしまう人もいれば、いつまでもダラダラ残業する人っていますよね。

こういう無駄な残業を減らすことができるのは企業にとって大きなメリットですね。職場の雰囲気が変わることも期待出来ますし、人材採用についても働き方改革に一生懸命取り組んでいる企業という良いイメージをつくることができます。

従業員にとってのメリットは、なんといってもライフスタイルに合わせた生活ができることです。例えば、フレックスタイムなどの活用により就業開始時間を少しずらすことで、満員電車のストレスからも解消されますし、残業時間の抑制によって過度な肉体的・精神的な負担も少なくなります。

働き方改革のデメリット

一方、働き方改革のデメリットです。

残業時間が抑制され、トータルの就業時間が減ることで、見た目の生産性は向上しますが、仕事がスケジュールどおりに完了できなくなる可能性がありますよね。

そうなると、残業の対象とならない管理職が代わりに仕事をするハメになったり、従業員によっては仕事をわざわざ家に持ち帰ってやるような状況も考えられます。こうなると本末転倒ですね。

また、残業手当が大幅に減るために総賃金も減少します。中には残業することで生活費を工面していたなんて従業員もいるかもしれませんよね。そういう人たちにとっては死活問題です。

このように、働き方改革によって職場の見た目の雰囲気こそ改善されますが、実際のところはいろいろな問題が想像されるんですよね。

私も経験がありますが、忙しいときもあれば暇なときもあります。忙しいときは残業の上限規制なんて言ってられませんから、どんどん残業すればいいと思いますよ。その代わり、暇なときに定時で帰ればいいんです。

そういう点からも、働き方改革と言いつつも”見た目のところしか変わっていない“中途半端な取り組みのような気がしてなりません。これがまさに落とし穴なんです。

副業・兼業の普及促進

こうした中、副業や兼業を希望する人は年々増加傾向にあります。副業・兼業を行う理由は、自分がやりたい仕事であること、スキルアップ、資格の活用、十分な収入の確保等さまざまで、副業・兼業の形態も、正社員、パート・ アルバイト、会社役員、起業による自営業などさまざまです。

一方、多くの企業では、副業・兼業を認めていません。企業が副業・兼業を認めるにあたっての懸念としては、自社での業務がおろそかになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になること等が挙げられています。また、副業・兼業に係る就業時間や健康管理の取扱いのルールが分かりにくいとの意見もあります。

今後、働き方改革によって仕事のスタイルが大きく変われば、副業・兼業する人が当たり前のような時代がやってくると思いますよ。そうなれば、企業もそのあたりをキチンと理解して、受け入れざるを得ない状況になりますよね。

まとめ

将来やってくるであろう人口減少と働き手不足、これは日本にとってかなり深刻な問題です。これを乗り越えるためにも、働き方改革+αを成功させる必要があります。「+α」は例えば諸外国との連携などですね。

でも、安易に残業時間を減らすとか、有給休暇を取得すればそれで問題が解決できるかと言えば”NO”だと思います。今のままだと、定時で仕事を切り上げたのはいいけれど、余った時間を持て余してそのあたりをフラフラするフラリーマンが増えるだけなのではないでしょうか。

 


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