キレやすい人は、「アンガーマネジメント」で6秒ガマン

ハラスメント

世間には、怒りの感情を抑えることが出来ない人たちがたくさんいます。例えば、悪質な「あおり運転」をするキレやすいドライバー、部下に対して日常的に「パワハラ」を行う危険な上司、そして、「このハゲ~!!」「ち~が~う~だ~ろ~っ!!」などの暴言で有名な元衆議院議員の豊田真由子さんみたいなタイプです。

こうした中、「アンガーマネジメント」による心のコントロールが注目を集めています。アンガーマネジメントとは、一言でいうと"怒りの感情と上手に付き合うための心理教育・心理トレーニング"のことです。(一社)日本アンガーマネジメント協会の安藤氏が日本の第一人者らしいですよ。

今回は、キレやすく怒りを抑えられない人とアンガーマネジメントについて考えます。

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キレやすい人・怒りを抑えられない人の特徴

どこの職場や学校にもいますよね。ちょっとしたことで"瞬間湯沸かし器"みたいに激怒する人。いわゆるキレやすい人です。こうした人が怒り出すと始末が悪いですよね。なにせ本人は理性を失い、烈火のごとく怒りまくっているもんですから、手の付けようがありません。

こうした人の特徴は、得てして次のような感じではないでしょうか。

  • せっかちで、気が短い
  • 頭に血が上ると理性を失って激怒する
  • プライドや理想が高い
  • 他人から意見されることを嫌う
  • キレることで優位に立とうとする
  • 相手を選んでキレる小心者

つまり、あおり運転をするドライバーも、パワハラ上司も、豊田元議員もこういう性格であるということです。一言でいえば、"短気でキレやすいが、じつは小心者"。

しかし、こうしたキレやすい人間を24時間365日取り締まることは出来ません。ましてや、こういう人間が上司でいたら厄介です。ただでさえキレやすいのに、怒りのスイッチが入ったら手が付けられないんですから・・。

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怒りの感情と上手に付き合うための心理教育

こうした中、キレやすく怒りを抑えられない人を対象に、アンガーマネジメントの取り組みが行われています。

あなたは、次のような経験ありませんか?

  • あおり運転をしたことがある
  • 飲食店の店員がルーズだと腹が立つ
  • 商品が売り切れているだけで文句を言ったことがある
  • 仕事や子育てが忙しくイライラする
  • 仕事の報告が無かったり、メールの返信が遅い人を許せない

一つでも該当する人は、怒りをコントロールする方法(アンガーマネジメント)を勉強すべきですね。

厚生労働省のパワハラへの取り組みにも参画している(一社)日本アンガーマネジメント協会では、アンガーマネジメントについて次のように説明しています。

アンガーマネジメントとは?

1970年代にアメリカで生まれたとされている怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングです。
怒らないことを目的とするのではなく、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになることを目標としています。

どのような分野で活用されていますか?

企業研修、医療福祉、青少年教育、人間関係のカウンセリング、アスリートのメンタルトレーニングなどの分野で幅広くアンガーマネジメントは活用されています。その中でも企業研修の需要は高く、多くの企業でアンガーマネジメント研修が導入されています。主に導入されているテーマは、管理職研修、コミュニケーション研修、パワハラ研修、メンタルヘルス研修です。
2017年4月、厚生労働省は、職場のパワーハラスメント防止対策を強化するための方策の検討を行うため、有識者や労使関係者からなる「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」を発表し、当会代表理事の安藤も委員に就任しました。
「職場のパワーハラスメント防止対策」は、働く方々が健康で意欲を持って働く上で重要な課題であり、アンガーマネジメントがハラスメント防止対策として、今後も多くの職場に導入されることが予想されます。

日本ではどのくらいの人がアンガーマネジメントを学んでいますか?

アンガーマネジメントの受講者数は年々右肩上がりに増加しています。2017年度は約22万人が受講しており、統計を取り始めた2012年より6年間で講座や講演、研修を通して述べ約60万人の方が受講しています。

出典:アンガーマネジメント協会ホームページ(アンガーマネジメントとは

 

ささいなことでイライラしない「器の大きい人」になるには

 

では、アンガーマネジメントをどのように実践すればよいのでしょうか?

(一社)日本アンガーマネジメント協会代表理事である安藤氏が執筆した『怒りが消える、心のトレーニング』(安藤俊介・著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、ささいなことでイライラしない「器の大きい人」になるために、怒りをコントロールする方法として、次の4つについて説明しています。

  • とっさの怒りを抑える方法
  • 怒らないための習慣
  • ムダに怒らない心の持ち方
  • 怒りを上手に伝える方法

とっさの怒りを切り抜ける7つの対症療法

ある同じ出来事に遭遇したときに、腹を立てる人もいれば、全く気にしない人もいます。つまり、すぐに腹を立てる人はある種の病気なんです。

本書では、思わずカッときてしまったときに怒りを抑える対症療法について説明しています。まずは「カチンとするとすぐに大声を出してしまう」「ムッとすると態度に出てしまう」などの怒りの悩みを対症療法で解決することからスタートです。

私も、これを読んで「なるほどね」って感心させられました。私が一番興味をもったのが"6秒ルール"です。つまり、イラっとしたときに反射的に「おい、お前!」といった言動をしないように6秒数えるというものなんです。

日常生活でもありますよね。何かがきっかけで突然どうしようもない怒りの感情が押し寄せること。こうしたときに、原因が何にせよ、まずは心の中で6秒数えて怒りのピークを抑えることができればしめたものです。

本書では、この6秒ルールも含めて次のような7つの対症療法が提案されています。この7つを習得できれば、少なからず怒りを抑えることができるのではないでしょうか。

1.怒りのピークは6秒で終わる
怒りはそれほど長くは続きません。瞬間湯沸かし器って言うくらい怒りは瞬間的にやってきます。「1、2、3…」とゆっくり数えれば怒りはやり過ごせるのではないでしょうか。イラっとしたらまずは心の中でゆっくり6秒数えてみましょう。

2.「今、この場所」に意識をくぎ付けにする
目の前のものをじっくり観察すると、怒りから目をそらすことができます。例えば、手に持っているペン、壁に張ってあるポスター、こうしたものに意識を集中すれば、ある程度の怒りは収まるのではないでしょうか。

3.自分の動作を実況する
頭の中で自分の動作を実況することで冷静になる方法です。「このままイライラしていたら、この仕事は期限に間に合いません」と自身の状況を解説してみましょう。自分の置かれている状況を客観的に見ることができれば怒りも収まります。

4.怒りのレベルを評価する
あらかじめ怒りのレベルを数値化しておいて、自分の怒りを客観的に考える方法です。これによって自分の怒りの尺度や傾向を知ることもできます。

5.タイムアウトで流れを変える
一旦その場を離れ、クールダウンして気持ちを落ち着かせる方法です。例えば、洗面所に行って顔を洗ったりすれば気持ちも落ち着くと思います。「君子危うきに近寄らず」ですね。

6.コーピングとセルフトーク
「大丈夫、大丈夫」「気にすることじゃないよ」と自分を落ち着かせる呪文をつぶやいて、次に尊敬する人の言葉や偉人の名言などを思い出して気持ちを盛り上げて怒りを抑える方法です。

7.「真っ白な紙」をイメージする
怒りの思考を停止するために、頭を真っ白にしてリセットし、怒りのきっかけを忘れましょう。イライラした出来事やムッとした言葉を一つ一つ紙くずのように握りつぶして、ゴミ箱にポイって捨てるイメージですね。

怒らない自分への体質改善、そのための9つの習慣

 

さて、怒りの原因をいつも他人のせいにしていると、いつまで経っても人間として進歩できません。怒りをコントロールするためには、まず自分自身を変える必要があります。衝動的に怒らないための体質改善ですね。

本書では、9つの習慣で体質改善ができると説明していますよ。

1.適度な運動でストレスを発散する
私もジョギングやサイクリングを楽しんでいますが、まさにこういった趣味がストレス発散につながるんですね。

2.ていねいな言葉づかいで笑顔で過ごす
イラっとしても笑顔を心がければ気分も変わりますよね。

3.不平不満の多い人とはできるだけ距離をおく
不平不満や怒りは伝染します。日頃から怒りを口にするようなストレス源には近づかないようにしましょう。

4.語彙力を身につけて怒りを正確に表現する
言葉で怒りを表現するときに「キレる」「ムカつく」だけでなく、自分の気持ちを表現するための語彙力、つまりボキャブラリーを豊富に持つことで怒りの爆発はなくなります。

5.「アンガーログ」をつけてイライラの傾向を知る
怒りを感じたら、その場でメモやスマホに記録(アンガーログ)として残しましょう。怒りを記録することで落ち着いたときに客観的に振り返ることができます。

6.「べきログ」をつけてコアビリーフを見直す
アンガーマネジメントでは、「~するべき」「~するべきではない」という人それぞれの考え方をコアビリーフって呼ぶそうです。自分の考え方のもとになっている辞書のようなものですね。これを整理(べきログ)することで、改めて自分の考え方を見直すことができますよ。

7.「ハッピーログ」で幸せを自覚する
アンガーログとは反対に、日々の楽しい出来事や嬉しい出来事などを記録(ハッピーログ)として残しましょう。これによって「自分の人生は嫌なことばかりではない」ということを再認識でき、怒りやストレスも減っていきますよ。

8.3コラムテクニックで怒りの境界線を広げる
怒ってしまった出来事について、その「出来事」と、自分の考え「べき(コアビリーフ)」、さらにどう考えればイライラせずに済んだのか、そのために必要なコアビリーフは何か、について「(コアビリーフの)書き換え」として整理することで、価値観を広げることができます。例えば、タクシーの運転手が道を間違えた場合、次のような整理ができます。

  1. 出来事:タクシーの運転手が道を間違えた。そんなことおかしい。腹がたった。
  2. べき:タクシーの運転手は道に詳しいべきだ。
  3. 書き換え:地方から上京したばかりの運転手だったのかも。仕方がないね、怒っちゃダメ。

9.「事実」と「思い込み」を切り分ける
「事実」と「思い込み」を混同してしまうと、それによって怒りが生み出されることがあります。怒りの感情が先走りそうになったら、まず「事実」と「思い込み」を切り分けて考えることが大切です。例えば、夫が女性と歩いている写真を見せられて、すぐに浮気と決めつけるようなケースです。まずは冷静に事実を整理して、自分の感情を表すのはその後ですね。

まとめ

いかがでしたか? 本書の前半部分である"とっさの怒りを抑える方法"と"怒らないための習慣について簡単にご紹介しました。

私はアンガーマネジメントという言葉すら知らなかったのですが、本書を読んでとても参考になりましたし、私自身も気をつけなければと考えさせられましたね。

本書の"怒りをコントロールする方法"にはまだ後半部分があります。つまり、ムダに怒らない心の持ち方"と"怒りを上手に伝える方法です。そして、付録として実生活に役立てるアンガーマネジメントの実践対応も紹介されています。

  • 通勤電車など公共の場のトラブルに巻き込まれないための方法
  • あおり運転の加害者・被害者にならないための方法
  • パワハラをしない・されないための方法
  • しつこいクレーマー対応の方法 など

もし興味をお持ちの方はぜひ購入されてみてはいかがでしょうか。これ1冊読むだけで、それまで日常生活の中で怒っていた自分が馬鹿らしく思えてきますよ。

怒りは何のメリットもありませんし、何の解決にもなりません。反対に怒った自分が窮地に追い込まれるだけです。アンガーマネジメントで自分の怒りをコントロールできるようになりましょう。

 


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