飲み会で飲み過ぎたり、焼肉を食べた翌日などに、「お腹が張ってオナラが止まらない」「オナラがすごく臭い」なんてことありませんか?
こうした原因は、ビールなどの炭酸ガスが体内に残っていたり、肉に含まれる動物性たんぱく質などの一部が大腸まで運ばれて、腸内ガスを発生させていることによるものなんです。
腸内ガスが大量に発生するとすべてを腸管から吸収することができず、吸収できないガスがオナラとして放出されるって仕組みですね。
私も、ちょっとガスが溜まってるなって感じたときに、つい油断して人前で「ぷっ」ってやってしまったことがありますが油断大敵です。
日本の文化では、人前でオナラをすることはマナー違反のようになっているので、大多数の人はトイレや誰もいない場所でオナラをしているのではないでしょうか。(自宅では出したい放題かもしれませんけど…)
今回は、臭いオナラが止まらないときの対処法です。
オナラのメカニズムと成分
オナラのメカニズムは、消化吸収されなかった食物のカスが大腸で腸内細菌の作用によって分解されるときに腸内ガスが発生し、腸管から吸収されなかったガスが肛門から排出されるものです。
平均的な大人の場合、1日に0.5~1.5リットルの量のオナラを5回から20回に分けて放出するらしいですから、冷静に考えても相当な量ですね。
オナラの成分のほとんどは、身体の外から口や鼻を通って入ってきた酸素や窒素です。これ以外に体内でつくられたメタンや二酸化炭素、匂いの元となる成分が混ざり合って肛門から出てきます。
動物性たんぱく質が多い肉類や、玉ネギ・ニンニクなどの硫黄分の多いものを食べると、オナラは臭くなりますよ。臭い匂いの元となる物質は、インドール(大便臭)、スカトール(大便臭)、アンモニア(小便臭)、硫化水素(腐卵臭)などです。
一方、芋やごぼうなどの繊維質の多い食べ物は、胃で消化されずに大腸まで届き、腸内で分解されて炭酸ガスやメタンガスになりますが、これらはあまり臭くありません。
つまり、オナラの匂いは食べ物に影響されるということです。
食物と消化器官の関係
消化器官の働きを簡単にまとめると次のようになります。
口から食べたものは、食道を通過して胃に入ります。すると、胃の中に一時的に貯えられて、胃液を浴びながらかき混ぜられて粥状(じゅくじょう)になります。粥状っていうのは"おかゆ"みたいな柔らかい状態ですね。
胃で粥状になった食物は、次に小腸へ向かいます。小腸は、十二指腸から始まる細く長い管ですが、食物が入ってくると蠕動(ぜんどう)運動を始めて、4~8時間もかけて食物を消化・吸収します。蠕動運動というのは、消化した食物を腸の中で移動させたり便を体外へ排出させたりする動きですよ。
そして、小腸ですっかり栄養分を吸い取られた食物の残りカスは大腸へと送られます。粥状だった食物のカスもここですっかり水分を吸収されて、固形状の糞便塊に変化し、最後にお尻から出てくるんです。
つまり、大腸がオナラの生産工場なんですね。腸内ガスがたまるとお腹が張ったり、容量オーバーになるとオナラが出る仕組みなんです。
ストレスがたまるとオナラが出る
オナラのもう一つの原因がストレスと言われています。
ストレスが溜まると「副交感神経」という自律神経が乱れて、胃腸の働きが鈍くなるんですね。そうなると消化器官の機能も弱まって、腸内ガスが溜まりやすい状況になるんです。
また、ストレスによって精神的にもイライラして、暴飲暴食をしたり、早食いの傾向になります。そうすると胃腸への負担もますます大きくなって腸内環境が悪化してしまいます。
自律神経の乱れによる影響はこれだけではありません。腸内の悪玉菌の勢いを活発にしてしまい、腸内環境を悪化させることも知られています。そうなると腸内には有毒ガスが発生し、強烈な臭い匂いのオナラとなって出てきてしまいます。
日本はストレス社会ですから、オナラを我慢しながら仕事をしている人たちがかなり多いってことになりますよね。
オナラは我慢した方がいい?
「なんだかオナラが出そうだな」ってタイミングは自分でわかりますよね。明らかに下腹部からお尻のあたりにかけて腸内ガスが溜まってる感じがするときです。
でも、学校や仕事にいっているときは、なかなかオナラを出せません。一人きりの空間であれば思いっきり「ブ~~」って放出できるんですが、満員のエレベーターとか電車の中でそれをやったら最悪ですよね。ましてや悪臭を放つようなオナラであればなおさらです。
私も先日床屋にいったときに、どこからともなく悪臭が漂ってきたんですが、どう考えてもオナラの匂いなんですね。店内には私と店主の二人しかいませんでしたから、100%床屋のオヤジの"すかしっぺ"だったんです。カットしながら体勢が変わった瞬間にお尻が緩んで「ス~」って出てしまったんでしょうけど、立ち仕事も大変だなって思いました。
ちなみに、ずっとオナラを我慢していると行き場を失った腸内ガスが血液に溶け込んで、体内をめぐり巡って最終的に口から出てくるなんてこともありますよ。そういうことからも"オナラは出せるときに出す"これが基本ですね。
オナラの原因である腸内ガスを溜めない工夫
オナラの原因として、腸内にガスが溜まることは前述のとおりですが、この腸内ガスの7割~9割が身体の外から口や鼻を通って体内に入ってくる酸素や窒素です。つまり、この空気を取り込まないようにすれば腸内ガスの原因物質が減るってことですね。
NHKためしてガッテン(2012/7/25放送)では、「さらば!オナラ肩こり、原因はたった1つの癖」として、唾液を飲み込むときに一緒に空気が入ってくることを指摘し、その改善策を提案しています。
- オナラや肩こりの原因は、歯を噛み続けること
- 歯をくいしばることで「火事場のバカ力」を発揮することもある
- しかし、歯を噛み続けると悪影響が出てくる
- 筋肉疲労では、頭痛・アゴ・腰痛・肩こり・ひざ痛・首の痛み
- 神経疲労では、視力低下・耳鳴り・めまい
- 歯を噛むことによって唾液が出やすくなり、唾を飲むときに同時に空気を飲み込む
- その空気がオナラになる
- オナラの8割はこのように飲み込んだ空気によるもの
- 番組で、この症状に悩む人のあごにセンサーを付けて調べたところ、1日20時間近くも噛み続けている女性がいた
- ひどい肩こりに悩んでいた女性は、歯を噛み続ける癖があるとは気づいていなかった
- でも、その癖は簡単にわかる
- 舌の周りに歯の跡がついていないか? 口の中の歯のかみ合わせの部分に白い線はないか?
- オナラの原因は、歯を噛み続ける癖
- 改善方法はとても簡単
- メモ用紙に「歯を離す」と書いて、よく目に付くところに貼っておく
- メモに気づいたら「歯を離して」息を吐く
- 息を吐いている間は歯を噛み続けることができない
- メモに気づいたときだけ「歯を離して」息を吐く
- 女性は1週間ほどで、ひどい肩こりが半減した(つまりオナラも減るはず…)
オナラが止まらないときの対処法
腸内ガスが溜まってどうにもオナラが止まらない、なんて場合は困りますよね。ガスが溜まっていると座ったり立ったりした瞬間に「プッ」って出てしまうおそれもあります。
こんなときは、早めにトイレや周りに人がいない場所に行ってお尻からガスを出すことが手っ取り早いですね。
男性トイレなんてひどいもんですよ。おしっこしながら平気で「プップ」している人が結構いますから…。でも公衆の面前でガスを漏らすよりはマシですかね。
日頃から腸内の悪玉菌をやっつけておく方法も効果的です。悪玉菌は増えれば増えるほど腸内環境が悪化して臭いオナラの原因にもなってしまいますから、"臭い匂いは元から絶つ"って方法ですね。
市販の乳酸菌サプリなどでも効果が期待できますよ。ぜひお試しいただいてはいかがでしょうか。
まとめ
臭いオナラですが、出せるときに出しておかないと思わぬところで油断した瞬間に漏れ出たり、最悪の場合には血液を経由して口から放出なんてこともあり得ます。
日頃から食べ物に気をつけて、腸内環境を整えておくとか、腸内ガスを溜めないような工夫をすることも大切ですよね。
お尻がムズムズしてきたら早めに人目につかないところで出す。これが基本です(笑)
コメント