温泉に入るときは泉質と効能よりも「温泉偽装」にご用心

お風呂

温泉っていいですよね。大きなお風呂でゆったりとお湯に浸かって日頃の疲れを癒したり、お湯それぞれの泉質や効能で体調を整えたり、その効果は抜群です。

日本は火山が多いこともあって、温泉もたくさんあるんですね。環境省によれば平成28年現在、温泉地の数は3,038箇所で、源泉にいたっては27,421箇所にもなります。

ところで、温泉に入るときに泉質や効能をキチンと確認していますか? もしかするとウソの記載があるかも知れませんよ。ひどい場合には、入浴剤で色をつけたり、水道水を温めているだけのところも過去にあったくらいですから…。

今回は、今から15年ほど前に世間を騒がせた温泉偽装問題を振り返ります。

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そもそも温泉とは?

温泉は、昭和23年に制定された「温泉法」により、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、温度25℃以上または温泉法で定められた19の物質の内いずれか1つが含まれているものと定義されています。

つまり、源泉(温泉が地中から湧き出ているところ)の温度が25℃以上、あるいは19の特定成分が1つでも規定値に達していれば、「温泉と呼ばれるんですね。

出典:環境省ホームページ(温泉の定義

余談ですが、浴槽に注いで利用したお湯を濾過・加熱処理をして、再度浴槽に注入するのが循環式常に浴槽に新しいお湯が注がれて、湯を浴槽からあふれさせ、あふれたお湯は使わないのが掛け流しと呼ばれています。

温泉を利用する客としては、掛け流しの方が魅力がありますよね。源泉からの豊富な湯量が確保されている温泉でしか出来ない技なんでしょうか。

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温泉と鉱泉の関係

ところで、「鉱泉」ってご存知ですか? よく「熱いのが温泉、冷たいのが鉱泉」って言いますけど、まさにそのとおりなんです。

鉱泉や温泉を管轄しているのは環境省になりますが、鉱泉の定義は次のようになっています。

鉱泉とは、地中から湧出する温水および鉱水の泉水で、多量の固形物質、またはガス状物質、 もしくは特殊な物質を含むか、あるいは泉温が源泉周囲の年平均気温より常に著しく高いものをいう。
出典:環境省ホームページ(鉱泉分析法指針

一言でいうと、25℃以上が「温泉」、25℃未満が「鉱泉」なんですが、”温泉も含めて鉱泉”と解釈するのが良いみたいですね。
つまり、「温泉 ⊂ 鉱泉」ってイメージです。

鉱泉の分類

温度による分類

お風呂に入るとき、お湯の温度は熱い方がいいですか? それともぬるま湯でしょうか?

一般的に、入浴するときにもっとも気持ちが良いとされるお風呂の温度は42℃らしいですね。ですから温泉地のお湯もほとんどのところは42℃前後に設定されています。

鉱泉を温度で分類すると次のようになります。「温泉」とつくのは25℃以上ですよ。

水素イオン濃度(ph)による分類

鉱泉は、水素イオン濃度によるph値で次のように分類されます。

■酸性泉
多量の水素イオンを含有する温泉です。殺菌効果が期待できるため、アトピーや水虫、湿疹などの皮膚病に効果があります。また、硬くなった古い角質をはがす効果による新陳代謝の促進なども期待できます。ただし、肌が弱い場合などにはピリピリとした強い刺激を感じたり、悪影響を与える恐れもあります。

■アルカリ性泉
ph7.5以上のアルカリ性の温泉です。石鹸のph濃度と同じぐらいの数値のため、肌がヌルヌルする感覚がありますね。皮脂を溶かして角質を軟化させるため、肌がツルツルスベスベになるようです。美肌の湯とか美人の湯と呼ばれるのもこうした効果によるものですね。

温泉偽装問題

今から15年ほど前、全国各地の温泉地で温泉偽装問題が発覚したことを覚えていますか? 温泉に入浴剤を入れて色をつけたり、水道水を使用していた問題です。中には、村長や役所職員も関わっていたというんですからビックリです。

源泉から湧き出る鉱泉(温泉)も大自然の恵みだと思うんです。ですから、ときには成分濃度が変化したり、温度が上下したりすることもありそうですよね。それを人工的に温泉に見せかけて金儲けしようなんて行為は許せません。

入浴剤利用

長野県の某温泉で起きた温泉偽装です。

この温泉では、白く濁った乳白色のお湯が有名だったんですが、ある時期からお湯の白濁色が薄くなってきたらしいんです。つまり、白濁ではなく透明のお湯になってしまったんですね。

もともと源泉から湧き出るときには無色透明なんですが、時間の経過とともに白濁する性質をもつお湯らしいんです。それが、透明のままになってしまったんですから温泉地としてもパニックですよね。

そこで、温泉のイメージである乳白色を損なわないために、一部の施設で入浴剤を使用していたらしいんです。薄くなったお湯を入浴剤で白濁させていたということですね。

これもキチンと公表さえしていれば法的にも問題には当たらないみたいなんですが、隠れてやっていたことが社会的な問題となりましたよね。

水道水利用

こちらは群馬県の某温泉です。

一部の施設で、お風呂のお湯が水道水の沸かし湯であったにも関わらず、あたかも温泉であるように表記していたんです。しかも入湯税の徴収も行っていたということですから悪質ですよね。

戦後、旅館数が増加したことに伴って、給湯量が不足したことから新たな源泉を開発したんですが、湧出温度が低く、温泉特有の成分も非常に少なかったらしいんです。そこで、一部の施設で水道水を温泉と偽って使用したというものですね。

後に神奈川県の温泉でも似たような偽装問題が発覚していますが、これらは明らかに違反行為ですよね。

まとめ

入浴剤を入れて色をつけたり、水道水を温泉と偽ったり…、温泉偽装をやらかした温泉旅館は今どうしているんでしょうか? 同じことを繰り返してはいないと思いますが、全国にこれだけたくさんの温泉があると、どこかで温泉偽装がされている可能性は否定できませんね。

過去のこうした温泉偽装問題を契機に、源泉に関する法律(温泉法)が平成17年に改正されて、温泉施設では湯船での利用形態をキチンと掲示することが義務化されました。具体的には次の5項目ですね。

  • 循環の有無
  • 加水の有無
  • 加温の有無
  • 入浴剤利用の有無
  • 消毒薬利用の有無

最近、温泉の偽装問題こそ起きていませんが、この手の偽装は繰り返されるんですよね。食品偽装、耐震偽装など世の中は嘘つきだらけです。

皆さんもこうした悪質な偽装に騙されないように注意しましょう。

 


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