『セルフ・エフィカシー(self-efficacy)』って言葉をご存知ですか?
ある行動を行う時に「これならできそうだ!」と確信する、あるいは「自分にはその能力がある」といったセルフイメージをもつ、つまり"自分に対する自信"のことをセルフ・エフィカシー(自己効力感)と呼びます。
人間は、何かある行動を行うときにセルフ・エフィカシーを強く感じると、その行動をするための努力を惜しみません。多少の失敗や困難なことがあっても、目標に向かって突き進むことができると考えられています。そして、その行動を成功させる可能性が極めて高くなるんです。
セルフ・エフィカシーは、仕事やプライベートなどあらゆる場面で感じることができます。例えば、「明日までに企画書を作ってくれないか」と上司に頼まれたときや、「ハーフマラソン大会に一緒に参加しない?」と友人に誘われたときなどがいい例です。
「この企画書ならなんとか明日までにできそうだ」「ハーフマラソンであれば完走できるかも」と感じることができれば、それこそがセルフ・エフィカシーなんです。
なにごとも「どうせできない」と諦めてしまったらそこで終わりです。「きっとできる」と思ってチャレンジすることが大切なんです。少しくらい失敗したっていいじゃないですか。前向きに取り組む気持ちを持てるか持てないか、これこそが人間として成長できるか否かの分かれ道になります。
今回は、セルフ・エフィカシーを高めて、積極性やストレス耐性を強化する方法をご紹介します。
人の行動は2パターン
私たち人間は何か行動しようとするとき、少なからず次の2つのどちらかに分類できると思います。
■セルフ・エフィカシーが低い:「どうせできない」として、なかなか行動に移せない
■セルフ・エフィカシーが高い:「きっとできる」と考えて、すぐに行動できる
セルフ・エフィカシーが低い人
セルフ・エフィカシーが低い人の特徴として次のようなことがあげられます。
- 自信がない
- チャレンジするのが怖い
- 失敗をおそれて不安になる
- 難しいことから逃げる
- 自分にはできないと思う
- ストレスに弱い
- 落ち込みやすい
あなたの周りにもいませんか? やる前から「そんなの無理に決まってんじゃん」とか「いま他の仕事で手がいっぱいで…」なんて言う人。
上司から見るとそういう人は信頼できません。難しい仕事を依頼して、仮にやってくれたとしても、"途中で挫折して放り出す"あるいは"結果がついてこない"ってことがよくありますから…。
セルフ・エフィカシーが高い人
一方、セルフ・エフィカシーが高い人はどうかと申しますと、
- 自信に満ちている
- チャレンジする勇気がある
- 失敗をおそれず、多少の失敗にも動じない
- 難しいことにも積極的に関わる
- 自分ならできると思う
- ストレスに強い
- 落ち込むことが少ない
こういう人もいますよね、私から見たら羨ましい限りです。出世する人はこういうタイプが多いと思いますよ。戦国時代の織田信長なんかもまさにこのタイプなのではないでしょうか。
こんな部下がいたら上司は楽ですね、仕事もどんどん進みますし…。でも、結果なんていいんです。少しくらい失敗したって、その過程が大事なんです。
セルフ・エフィカシーは本人の思い込みしだい
セルフ・エフィカシーは、性格によるものではありません。これまでの本人の体験からつくられています。ですから、セルフエフィカシーは今からいくらでも育てることができます。ポイントは、本人が行動するときに「どう思うか」、「どう感じるか」、これだけなんです。
"石橋を叩いて渡る"ってことわざがありますが、私から見れば、あまり慎重すぎても面白くありません。むしろ、"石橋を壊して渡る"くらいのチャレンジ精神が必要なときもあります。
つまり、「できるかどうか分からないけど、たぶん大丈夫!」こういう風にポジティブに考えることが大事なんですね。
"テキトー男"で有名な高田純次さんもこう言っています。
- 「失敗があって普通、苦労して当たり前」
- 「苦手な人は受け流しちゃうな。だから、ストレスはゼロ」
セルフ・エフィカシーが低い人は、ぜひ高田純次さんの生き方を参考にしてみてはいかがでしょうか。
セルフ・エフィカシーの高め方
セルフ・エフィカシーを高めるにはいくつかの方法がありますが、ここでは簡単かつ効果的な2つの方法をご紹介します。
1.小さな成功体験の積み重ね
セルフ・エフィカシーの低い人が、それを一気に高めるのは難しいと思います。まずは、「小さな目標を立て、行動し、クリアする」といった"成功体験"を実感してください。
そして、少しずつ目標を高くして成功体験のクオリティを高めていけば、行動への「自信」を取り戻し、必然的にセルフ・エフィカシーも高くなります。
2.モデリング
自分と同じようなタイプ・境遇の人が成功した話を聞くと共感しませんか? 「この人にできるのであれば、自分もできそうだ」という感覚ですね。これを"モデリング"といいます。
年齢や性別、生活レベル、健康状態などが自分と似ている「モデル」を見つけ、その人がどのように行動しているのか、行動するときの考え方やコツ、行動して得られたメリットなどを聞いてみることで、「これなら自分でもできそうだ」という「自信」を感じやすくなります。
いずれも日常生活の中で簡単にできるものです。今から実践して自らのセルフ・エフィカシーを高めてみませんか?
まとめ
何かの行動をとらなければならない状況になったとき、「どうせできない」と最初からあきらめてしまうのか、あるいは「きっとできる」と信じてチャレンジすることは、その人にとって大きな変化点になります。
さらに、これが繰り返されれば、いつもマイナス思考でダメな人、あるいはプラス方向にぐんぐん成長する人といった2種類の人間ができてしまいます。
人間として、どちらが望ましい姿であるかはお分かりですよね。
合言葉は、「できるかどうか分からないけど、たぶん大丈夫!」たったこれだけなんです。明日からでも遅くありません。自らをチェンジしましょう!
コメント