やめられない万引きの快感、「窃盗症(クレプトマニア)」の原因はストレス

行動心理

スーパーでキャンディーなどを盗んだ罪に問われた元マラソン代表選手の判決公判で、懲役1年、執行猶予4年の有罪判決が言い渡されました。この元マラソン選手、じつは「窃盗症(クレプトマニア)」という精神疾患が原因で万引きを繰り返していたらしいんです。トップアスリートとして、厳しい体重制限や摂食障害などに悩むうちに万引きを繰り返すようになっていったみたいなんです。今回は、窃盗症(クレプトマニア)について考えます。

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有名マラソン選手が万引きで有罪判決

このニュースを聞いたとき、私は意味が分かりませんでした。2005年の名古屋国際女子マラソンでマラソン初挑戦でいきなり優勝、そして同じ年のヘルシンキ世界選手権でも6位に入賞したほどのトップアスリートが、たった380円の駄菓子を万引きして現行犯逮捕ですよ。

マスコミ報道によれば、万引きを始めたのは2011年。厳しい体重制限によって摂食障害を引き起こし、度重なるケガに苦しんでいたときに、寮の近くのスーパーでパンをカバンに入れたことが最初の万引き。そのときに、万引きの緊張感と達成感を覚え、それ以降も「万引きをしている時は苦しみを忘れられた」というくらい万引きを繰り返したらしいんです。

でも、盗むものはパンやお菓子といった安価なものばかりなんですよね。そして、それらを食べては吐くといった異常な状態に陥っていたんです。心配になって病院で診てもらったところ、「窃盗症(クレプトマニア)」と診断されたんですが、その頃、コーチとの金銭トラブルや婚約者との問題などもあって、そうしたストレスを忘れようとして、さらに万引きがエスカレートしていったみたいですね。

2017年に万引き事件で有罪が確定し、その執行猶予中の2018年に群馬県のスーパーでキャンディーなど380円分を盗んだ罪に問われ、今回、懲役1年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡されたものです。

判決後の会見で、「本当に申し訳ありませんでした…。やりたくないのに、万引きをしてしまった。止めなきゃいけないのに、止めたいのに、止められない…。」と自らの苦悩を説明しています。

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窃盗症(クレプトマニア)は、万引き依存症

窃盗症(クレプトマニア)とは、万引きなど"物を盗む行為に刺激や快感を覚えてしまい、その衝動を抑えられない精神疾患"の一つですね。別にお金に困っているわけではないのに、「万引きするときのスリルが忘れられない」「やってはダメと分かっているのにやめられない」として、万引きなどを繰り返してしまう病気です。

万引きの対象も、とくに自分が欲しいものでもないらしいんです。とにかく万引きの刺激や快感を味わいたいがために万引きをしてしまうんです。ですから、万引きしたものを捨ててしまったり、他人にあげるというような行動をとることもあるようですよ。まさに万引き依存症ですね。

スーパーなどで万引きの常習犯を取り締まる万引きGメンの特集番組がテレビで放送されますが、あそこに登場する犯人も窃盗症なのかもしれません。とくに高齢の女性に多いらしいですよ。例えば、長い間連れ添ったご主人を亡くし、一人暮らしの寂しさに耐えられずに万引きしてしまい、そうしているうちに万引きの常習犯になっていったなどのケースです。

窃盗症(クレプトマニア)を発症させる原因の多くは、ストレス

こうした窃盗症(クレプトマニア)ですが、原因の多くはストレスや依存によるものらしいんです。なんらかのストレスや不安、寂しさなどを感じたときに、その代替として万引きを行ってストレスを発散しているんですね。

窃盗症(クレプトマニア)になりやすい人の特徴として、

  • 周囲への気遣いばかり気にする人
  • ストレス発散につながる趣味がない人
  • ストレスを抱え込みやすい人

こうした人が窃盗症(クレプトマニア)になりやすいみたいですね。おそらく真面目で几帳面、周りの人に気遣いをして、周りから良い人と見られたいタイプが該当するのではないでしょうか。

窃盗症(クレプトマニア)の治療

万一、「自分は窃盗症(クレプトマニア)なんじゃないか?」と思うようなことがあった場合には、専門医の診断を受けるのが最優先だと思います。精神科又は心療内科ですね。

また、家族や自分の周りにこのような万引きを繰り返すような人がいる場合、窃盗症(クレプトマニア)をまず疑うことも大切ですね。

そのまま放置しておいて、症状がどんどんエスカレートしていくと、さらに万引きを繰り返すようになり、今回の元マラソン選手のように自ら逮捕されることを選択するような状況になることも考えられます。

私の周りにもいた窃盗症(クレプトマニア)もどき

私も小さな頃から、両親や学校で「万引きや泥棒は絶対にしてはいけないこと!」と教え込まれて育ちましたから、万引きをした記憶はありません。

でも、いま思い起こすと大学の同級生に万引き常習犯らしき学生がいましたね。その学生はお店で商品を万引きするのではなく、友人のアパートなどへ行った際に、友人の財布からお札を抜いていたんです。1回あたり1~2万円程度で、決して財布のお金すべてを盗むわけではないんです。でも被害に遭った友人はみな口を揃えて言ってましたよ。「〇〇にお金を盗まれた」ってね。これは窃盗症(クレプトマニア)ではなくて、れっきとした泥棒ですね。

しかし、誰もその現場を確認できていなかったので、その学生は何事もなかったかのように大学を卒業し、地方公務員になりました。しかし、40代後半の頃、つまらない収賄事件で逮捕され懲戒免職となり、今はどこで何をしているのかも分かりません。社会的地位も退職金も全てパー、年金も半額程度しかもらえないのではないでしょうか。

この学生については、私から言わせれば天罰ですね。被害に遭った同級生もみな口を揃えてそう言っています。こういう人間は救いようがありません。

まとめ

私生活や学校・会社などで大きなストレスを抱えている人で、「やりたくないのに万引きしてしまう」「万引きの緊張感と快感が忘れられない」こういう人がいたら窃盗症(クレプトマニア)の疑いがありますね。

そういう人は、ただちに専門医の診察を受けるべきです。そうしないと事態はさらに深刻になり、自分だけでなく家族や周囲の人たちにも大きな迷惑をかけることになります。

窃盗症(クレプトマニア)について、ご家族でも話し合って、「日頃からストレスをためない」、「何か異常があったらすぐに相談する」こうしたことが大切だと思います。

 


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